Planck Keyboard (rev 4)

OLKB×Massdrop Planck Keyboard (rev.4)

Planck Keyboard はキーボードキットのシリーズで、格子配列の12列×4行で合計48キーという小型の設計だ。 古くからあるシリーズなので複数のリビジョンがあり、ここで紹介するのはRev 4 で、基板の刻印から判断するとこれは2017 年の設計だ。 USB のレセプタクルがmini USBなのが年代を感じさせる。 最新のものはUSB-C だったり、ATmega32U4 より高性能なマイクロコントローラだったりするようだが、基本的なキーボードとしての使用においては差は小さいだろう。

このキーボードを組み立てたのは2025-12-30で、ebay にどこかの倉庫で眠っていたであろうrev 4キットが放出されていたのを買ったのであった。 このキットは基板、アルミ削り出しのケース、MX互換スイッチ向けのプレートがついて送料込みで$55.84 と破格だったので買わない手はないだろう。 私にとって4台目のキーボードの組み立て。

このrev 4基板は、機能としてはBacklight とAudio に対応しているのが面白い点だ。 QMK Firmware には二種類のLED 制御機能があって、それぞれRGB とBacklightと呼ばれている。 RGBはいわゆるアドレサブルRGBで、フルカラーのLEDを個別にコントロールできる機能だが、このキーボードでは対応していない。 Backlight はキーボードの全LED を輝度調整して光らせる機能で、このキーボードではLED をハンダ付けすれば利用可能だ。 Audio はその名の通りブザーが鳴らせる機能で、昔のSun とかのキーボードではホストからのコマンドで鳴らしていたところ、この機能はキーボード単体で起動音とかクリック音を鳴らせる。 ブザーは基板にハンダ付けされており追加の部品は必要ない。

The Planck Keyboard PCB Rev 4 - Massdrop Edition
基板表側。LED はこちらに実装することになる。
The Planck Keyboard PCB Rev 4 - Massdrop Edition (component side)
基板裏側。ブザーはこちら側に見える。

スイッチはせっかくだから変わったものを使いたいなということで、一般的なスイッチで押下圧が45 gf 前後のところ28 gf の《Zuoce BSUN Turquoise 松石軸》という非常に軽いスイッチを選んでみた。

キースイッチ Zuoce BSUN Turquoise 松石軸
Zuoce BSUN Turquoise 松石軸 (28g)

今回、アルミケースが緑色のセットを選んで、せっかくなので全体を緑色に揃えることにした。 Backlight のLED は緑色に、それが綺麗に見えるように緑色クリアーのXDA プロファイルのキーキャップを選ぶことに。 惜しいのはプレートが未塗装なので、飾ったときに目に見えがちな上側がいつも銀色である点だ。 この部分はバックライトの緑色の光を反射させて気づきにくいようにしてカバーすることにした。

なお、LED は2x3x4 mm 角型であれば、キースイッチ側の溝にある程度余裕を持って収まるので、多少斜めになっていたりしても問題なくスイッチがはめられて使いやすかった。

アルミケース背面
アルミケースの裏側。

ファームウェア

QMK Firmware がそのまま使える。 私は普段Linux を使っているので、ビルドと書き込みはqmk_firmwareレポジトリをチェックアウトして以下手順で実施している:

./util/docker_build.sh planck/rev4:default

を実行することでplanck_rev4_default.hexがビルドされる。

書き込みは、USBでキーボードを接続し、QK_BOOTキーを押して、

dfu-programmer atmega32u4 erase --force
dfu-programmer atmega32u4 flash planck_rev4_default.hex
dfu-programmer atmega32u4 reset

とする。 ここまでの手順で新しいファームウェアで起動してくるはず。

使った感想

アルミケースで作りがしっかりしていて、かつコンパクトなので持ち運んで使うのにちょうど良さそう。

レイアウト面では、すでに同じ数のキーを持つChidori を使っていたので、大きな違いはないかと思っていたが、手首の角度が異なるからか数時間くらいは慣れが必要だった。 慣れてしまえば快適に利用できている。

Zuoce BSUN Turquoise 松石軸は28 gということで、これまで触ったことのあるどのスイッチよりも「軽い」ので、押し間違えなどが頻発しないか心配していたが、これも杞憂であった。 フルサイズのMX 互換スイッチであり、反応まである程度押し込まないといけないことから押し間違えは起きていない。 数字の上でのパラメータから想像できる通り、店頭で押したことがあるNiz の静電容量無接点方式スイッチと概ね似た反発力といった感じで、押した感じはさわやか。 ここまで軽いと最後まで押し込んだときにぶつかるのが最初のフィードバックと言っても良いくらいで、そういう意味ではむしろクリッキーなスイッチに近いとさえ感じた。 しばしば親指キーで押し続けることになるFn キーは軽さの恩恵を一番受けていて、親指が疲れにくくなっているのを感じる。

付録: かかった費用