OHPフイルムで簡単文字入りキーキャップ

自作キーボードを使う時に、キーキャップに文字を好きなフォントや配列で入れたいことがある。 これは、特に小さめのレイアウトで、複数キーを押すと特定のキーを呼び出すレイヤー機能を使うとき、2番目以降のレイヤーに何を割り当てていたか覚えるまではキーに印字が有ればと思うことはしばしばあるだろう。 専門的にはUV印刷サービスを使えばかなりお手頃価格でそういったものは手に入るのだが、ここではOHPフイルムと透明なキーキャップを組み合わせて自宅で簡単に好きな印字が入ったキーキャップを作る方法を紹介する。

OHPフイルム

OHPフイルムって実はもう覚えてない人も多いかも?ということで(このサイトに流れ着く人は皆知ってそうではある)、一応説明すると、ビデオ信号を直接入力できるプロジェクターが一般的になる前に使っていた投影機があって、その下にかざす透明なフイルムで資料が印字されるものをOHPフイルムと呼んでいた。 平たく言うとプラ板で、プリンタで印刷される前提で作られている点が今回の用途で便利な点だ。

OHPフイルム自体は種類は少なくなっているものの今でも入手可能で、レーザプリンタ用やインクジェット用など各自使いたいプリンタに合わせて選べるくらいの選択肢はありそうだ。 一方プリンタでのOHPフイルム対応はどんどん無くなってきているようで、少々調べた感じだと最新機種では用紙種別にOHPは選べないものが多いようだ。 私が使ったEPSON PX-045A は2016 年頃から10年間使っている顔料インクのインクジェットなのだが、このプリンタも用紙種別ではOHPは選べなかった。 普通紙設定で顔料インク対応のOHPフイルムに印刷してみたところ何の問題もなく印刷できて、乾いてしまえば指でこすったくらいでは色落ちも擦れも起きなかった。

透明なキーキャップ

透明なキーキャップと一言に言ってもいろいろあるようで、今回はフイルムを下から挟みたい都合で、透明なキーキャップの中でも曇っていない透明度の高いものが適切だ。 通販サイトで100個入りとかでやたら安く売られていることが多い。

OLKB×Massdrop Planck Keyboard (rev.4)
今回文字入れをしたいキーボード

手持ちのPlanck Keyboardで使っている緑色のキーキャップに文字を入れていく。

データ作成

戦略は、キーキャップの軸部分の直径より僅かに小さい正方形の穴をOHPフイルムに開けて、フイルムを捻じ込んで固定する方針だ。 5.5 mm四方の穴のマークを X 印で描いて印刷した。 ベクタデータ作成はCanva Affinity を用いた。 フォントはThe Soft Type Collection, Jersey [github.com]を使わせていただいた。

工夫として、印刷後の加工で手作業しかないので失敗を盛り込んで、1枚の用紙に3回同じ内容を描いてある。

作ったデータの例 ohp.zip (Affinity ファイルとエクスポートしたPDF)

印刷と切り抜き

切り抜きは自分との戦いで、4時間ほど掛かった。 48 キーあるうち穴が大きすぎるなどで使えなかったのは4枚発生し、そこはデータ作成の段で伸べた冗長に印刷してある部分を使って代替できた。

Keycap print on an OHP film
印刷した様子

穴部分が+型のマークになっているが、これは実際には頂点を結ぶ形で切るので、切り出したOHP辺はX 字でマークされていることになる。 このマーク方法のほうが若干のズレがあっても最終的に目立ちにくいだろうという目論見で、実際その見立ては正しかった。

結果

キーキャップを外し、切り出したOHPフイルムをキーキャップ側の軸に差し込んでいった結果がこれ。

Keycap with OHP film inserted
上出来

思った以上に見た目は良いし、印刷した部分はキーキャップの中に入るので直接指に触れずに擦れる心配がないのも良い。 また、接着剤を使っていないので、今後レイアウトを変えたくなったらOHP部分を引っぱり出すだけで良いのもすてき。

私の工作としては思いの他実用的だった。