オーディオテクニカATH-PRO5にYaxi stPad2をつける

オーディオテクニカATH-PRO5は、1995年9月1日発売の定価¥7,000 のヘッドホン [archive.org]。 引越の際にいらなくなったというのを引き取ったものだ。 私が持っている中では一番細かい音まで聞こえるヘッドホンで、オンライン配信を聞いていたりすると録音やコーデック起因ののノイズが気になったりする。 ケーブルが片側から出ていることと、出ているはずの音がなぜか聞こえないときの犯人No. 1である手元用インラインボリュームがついていないのがとても良いところ。 一方でカールコードは太くて重いので取り回しがちょっとしにくい部分がある。

このヘッドホンは密閉型で、周囲の音はまったく聞こえない。 作業する時に集中するために使うのには都合がよいが、キーボードのタイプ音が聞こえなくて寂しい気持ちになったり、何らかの異音が発生していても気づかなかったりするのでちょっと危ない。 通話のときに使うと自分の声が聞こえないので大きな違和感があるし、必要以上に大きな声で話してしまい迷惑になるのでこういった用途には向かない。

純正イヤーパッド

もともとついているイヤーパッドはペラペラで、ヘッドホン側のドライバ周囲が盛り上がっていることもあり、板で頭を挟んでいるような感じになる。 外耳が押さえつけられるので耳が非常に痛くなってしまい、30 分くらいが限界という感じでこのヘッドホン自体をあまり使わないでいた。 純正品の交換イヤーパッドは古い型番でHP-M7PROX, 最近のものでHP-PRO5 が販売されていて、これは当然ちゃんと取り付けできるがペラペラで耳が痛いのも同じだ。

ATH-PRO5 HP-PRO5装着時の状態
ATH-PRO5にHP-PRO5取り付け後4年くらい使ったあとの状態。結構よく持っている。

Yaxi stPad2

Yaxi stPad2 という社外品の交換用イヤーパッドが売られていて、主にSony MDR-CD900st用ということなのだが、対応製品としてATH-PRO5後継のATH-PRO5MK3が挙げられており、概ね大きさが同じくらいに見えた。 購入時点で税込¥4,620で、純正品が¥1,280で売られていることを考えるとかなり高額な印象を受けるのだが、純正品と設計が異なり耳を押さえつけるのではなく被うような形になっているのと、素材がレザーということで物は試しにということで買ってみた。

実際取り付けはできて、MDR-CD900stよりATH-PRO5はおそらく若干大きいのでギリギリという感じではあったが、取り付け後は全く違和感無く使用できる。

ATH-PRO5 Yaxi stPad2装着時の状態
ATH-PRO5にYaxi stPad2装着。ヘッドホン外周部がイヤーパッド想定より若干大きいのがお分かりいただけるだろうか。

イヤーパッドがしっかりした形状をもっているので、耳を被うように装着することになり、装着した感じは全く変わった。 純正品で課題に感じていた耳が痛くなる問題はかなり改善されているものの、やはりヘッドホンのドライバー部分が凸型なので外耳との物理的干渉は多少あり、完全になくなったわけではない。 とはいえ通常の使用の範囲で耳が痛いので使うのを止めることはなくなった。

予想していなかった収穫は、見た目が高級な感じになったことだ。 イマドキのゲーミングヘッドホンのような見た目になった、と感じている。

音に関しては、純正品だと耳が押さえられているからか低音がややこもったように聞こえていたところ、このイヤーパッドだとかなり自然に聞こえるようになって自分は気に入った。

むすび

純正イヤーパッドは安価で、発売から30 年近く経っても供給されているのがすばらしいところ。 一方人によるとは思うが耳が痛くなる。 Yaxi stPad2 はこの機種との組み合わせは完全に利用可能で、装着感の改善は特にすばらしいが、ヘッドホン本体との価格比を考えるとちょっとためらう人もいるかもしれない。 とはいえ新品のそれなりのヘッドホンを買うよりは安いし、見た目も含めて満足感は高かったのでstPad2への交換はオススメだ。