ATI は名ばかりで、2001年3月に買収したSONICblue (旧Diamond Multimedia Systems) のワークステーショングラフィック部門FGL Graphics の製品。
使われているチップはIBM のRC1000/GT1000で [archive.org]、ATI 系の設計とは接点がない。
IBM RC1000/GT1000と書くとどういう素性のチップか分かりにくいのだが、PCI のVendor ID/Device ID はIBM POWER GXT6000Pと同じなので、RS/6000 向けのグラフィックオプションのASIC をPC 向けにAGP Proカードに載せたものということだろう。
ドライバのバイナリの中のエラーメッセージでは、このチップセットはIBM SandStormという名前で呼ばれている。
共通ドライバで動くFire GL2, Fire GL3 も似た設計で、入出力端子の種別やASIC/メモリのクロック違いということのようで、Vendor ID/Device ID は共通でGXT6000P のものであり、Subsystem IDがそれぞれ異なる。

冷却は凝っていて、ラスタライザのチップには銅でできたヒートシンクとシロッコファンが、ジオメトリのチップには別のヒートシンクと薄型のファンが留められている。 2スロット占有なのだが、背が高い方のファンが横方向に排気するので、直上のスロットにカードを刺しても安心設計。
このカードは裏側のラベルにHP MFG P/N A7226-69201 SUPPORT P/N A7226-69101とステッカーが貼られている。
HP はx86 のPC に加え、PA-RISCでFire GL3を、Itanium2 機でFire GL4 をオプションとして提供していた経緯があるようで、RS/6000 用のグラフィックチップがadd-in board (AIB) OEM を介して最終的にHPPA やIA64 で使われていたのは話としてはちょっと面白いかもしれない。
IBM 自身も過去にはSGI のチップをRS/6000で使った実績はあるわけではあるが。
現状このカードはVGA BIOS が入ってなくて、Option ROM の先頭 55 aaとなるはずのところff ffが読めるので、何らかの原因でFlash が消去されてしまった状態だ。
幸い、インターネットでVideo BIOS のイメージらしきファイルと、Fire GL2 向けのBIOS アップデータは見つかったので、これを組み合わせたら修復できるのではないかと目論んでいる。
このFire GL2 向けのアップデータはATI Bios Flash Programming Utility, Version 1.20 ( 05/31/2001 )とのことでAtiflash に似てるのだが、このバナー表示以外はIBM チップセット向けの専用のツールに見える。
VGA BIOSとされるものの中にはFire GL2/4 共通でYet Another IBM 256-bit Graphics Rasterizer 1.28
といった文字列も含まれていて、これは前世代のFire GL1 があることを基にYet Another 扱いしているのだろう。
Fire GL1はPOWER GXT2000PのASICを使っている。
VGA BIOS が無くてもカードとして認識はしていて、lspciで見るとこんな感じ:
01:00.0 VGA compatible controller [0300]: IBM GXT6000P Graphics Adapter [1014:0170] (rev 02) (prog-if 00 [VGA controller])
Subsystem: Diamond Multimedia Systems Fire GL4 [1092:0174]
Control: I/O- Mem- BusMaster- SpecCycle- MemWINV- VGASnoop- ParErr- Stepping- SERR- FastB2B- DisINTx-
Status: Cap+ 66MHz+ UDF- FastB2B+ ParErr- DEVSEL=medium >TAbort- <TAbort- <MAbort- >SERR- <PERR- INTx-
Interrupt: pin A routed to IRQ 11
Region 0: Memory at f5000000 (32-bit, non-prefetchable) [disabled] [size=128K]
Region 1: Memory at f0000000 (32-bit, non-prefetchable) [disabled] [size=64M]
Expansion ROM at f7fc0000 [disabled] [size=256K]
Capabilities: [60] Power Management version 0
Flags: PMEClk- DSI+ D1+ D2+ AuxCurrent=0mA PME(D0-,D1-,D2-,D3hot-,D3cold-)
Status: D0 NoSoftRst- PME-Enable- DSel=0 DScale=0 PME-
Capabilities: [70] AGP version 2.0
Status: RQ=32 Iso- ArqSz=0 Cal=0 SBA+ ITACoh- GART64- HTrans- 64bit- FW- AGP3- Rate=x1,x2,x4
Command: RQ=1 ArqSz=0 Cal=0 SBA- AGP- GART64- 64bit- FW- Rate=x1