Amazon.comのコンピュータ

Amazon.comはAmazon Web Services (AWS)を抱えており、AWSは各リージョンに複数のアベイラビリティゾーン(AZ)があり、AZは複数のデータセンターで構成される。 AWS re:Invent 2016: Amazon Global Network Overview with James Hamilton [youtube.com] の情報によれば、それぞれのデータセンターは25–32 MWの電力で50k–80k サーバを稼働させていて、サーバは自前で設計しているとのことなので、世界最大のサーバーメーカといえるはずだ。 実際、Intel のカスタム仕様のCPUを導入していて (当サイトでのベンチマーク結果)、高マージンなSKUの購入規模も業界最大級であると考えられる。

そんなAmazon.com だが、一般消費者向けにもいくつかのコンピュータハードウェアを販売している。 毎秒利益を出しているAWS に比べると、消費者向けのハードウェアは趣味でやってるのか?というような品揃えと規模に思えるが、その分、個性の強い面白い製品が揃っている。

Kindle (7th Generation)

Model No: WP63GW のKindle シリーズ電子書籍リーダの第7世代。 2014年10月発売。 タッチパネルは光学式で、画面端の隙間のところにセンサーがある。 最大の特徴はeInk ディスプレイで、このおかげで文字は非常に読みやすい。 ただし、167 ppiのピクセル密度であり、近代的なスマートフォンやタブレットと比較すると表示は荒く、ラテン文字で構成される英語の表示では全く気にならないものの、漢字ひらがな混じりの和文の表示ではもう少し解像度が必要に感じた。 画面は6インチであり、文庫本に近いサイズで、文字中心のものは目の動きが慣れている距離になるため読みやすい一方、画面解像度や画面が白黒なこともあって、漫画や固定レイアウトの雑誌は300 ppiくらいある10型のタブレットの方が読みやすい。 Kindleシリーズでも、上位機種では画面解像度が高いものがある。
Amazon Kindle 7 Amazon Kindle 7 背面 Amazon Kindle 7 のディスプレイの顕微鏡写真

ケースのプラスチックに高級感は全く無いものの、本を読むための握り心地は非常によく、同時に壊れにくそうな印象がありとても使いやすい。 充電はUSB microB にて行い、充電中は底面のLED が橙色に光る。これはAmazon色を意図してなのか、それとも普通にアンバーなのか謎。
充電中のLEDの色

Echo Dot (2nd Generation)

スマートスピーカーと呼ばれる、人語を解するスピーカー。 Wi-Fi でインターネットと接続し、リクエストに対してAWS Lambda または適当なREST のエンドポイントを叩いて答えを返す。 「スキル」という様々な機能を使えるが、全てサーバサイドで実行される (当サイトで公開しているスキル)。 このハードウェアは端末にすぎず、Amazon アカウントと紐づくことを以上にはステートを持たないが、Android で動いているようだ。 AWS 直結の専用端末という見方をすると、Web の進化でファットクライアント化していたPC から更に一歩進んだ、非常に先進的な・あるいはタイムシェアリング時代に先祖返りした作りという解釈もできる。 なお、Bluetooth でオーディオを受信することもできる。

このモデルはEcho Dotシリーズの第二世代のModel No: RS03QRで、日本国内で販売されたものとしては2017/11に販売開始された最初のシリーズである。 国内ではGoogle Home の方が先に発売開始となった。 Echo シリーズが日本国内で発売された後は供給が不十分で、このEcho Dot も4ヶ月待ちで入手したものだ。
Amazon Echo Dot (2nd Generation) Amazon Echo Dot (RS03QR)