Keychron K3 v2

Keychron K3 v2 (光っている状態)

Keychronは、2022年現在急速に流行ってきている香港のキーボード専業の会社で、最近では日本でも代理店を立てて、有力なPCパーツショップや量販店でも取り扱いが始まってきており、今後国内でもさらに普及が加速しそうなワクワク感のあるメーカーだ。 このページでは、Keychronの薄型メカニカルキーボードK3 v2について紹介する。

私が購入したのは Keychron K3 Ultra-slim Wireless Mechanical Keyboard (Version 2) RGB Backlight / Low Profile Keychron Optical (Hot-swappable) / Redという種別のものだ。 US配列。 製品本体が$75.60, 送料がDHL Expressで$23.00, 特別値引$8.40で合計$98.60 であった。

K3 v2は、従来のK3と比較して足の角度が2段階に調整できるようになっていることと、キーキャップの成形方法が変わったのと、ベース部分に鉄板が入ったことが変更点とのこと。 改良版であることが製品のパッケージにも外から見てわかるように、製品名と並ぶ形でver 2と大きく書いてある。

K3はいわゆる75%キーボードで、ファンクションキーあり・テンキー無しでIns/Delなどのブロックを省略してコンパクトになっている。 ファンクションキーがない65%キーボードだと、`~の位置がキーコンビネーションだったり不自然な位置になってしまいがちであり、テンキーだけを無くしたいわゆるTKL配置だとキーボードの中心がホームポジションの中心でなくなることなどを考えて、最近は75%サイズが気に入っている。 このキーボードで特に便利なのは、スクリーンショット用のキーがF12の隣にある点で、エクセルにスクリーンショットを貼り付けなければいけない避けがたい状況になった場合でも頼りになる。 特に、Macintoshに接続した場合でもこのキーを押すだけで気軽にスクリーンショットが撮れるのが非常に便利。

Keychron K3 v2のレイアウト(US配列)

薄型のメカニカルキーボードは、通常の厚さのキーボードと比較して手のひらを上に曲げる角度が小さくて済むので、パームレストがない状態でも手首の負荷が低いように感じている。 赤軸Keychron Opticalスイッチは押下圧40 gで、K3で選べるスイッチとしては一番軽いものであり、一般的なメカニカルキーボードとしても最も軽い部類に入る。 実際のキータッチは非常に良く、Cherry赤軸とApple Extended Keyboard II やPC-9801RA21付属キーボードの中間くらいの感じのさわやかな雰囲気だった。 スイッチが薄型なことは実際のタイプ中は感じなくて、通常のメカニカルスイッチと同じ感覚で使用できる。 キーピッチも実測で一般的なキーボードと同じ19 mmくらいなので、こちらも慣れはいらなそう。

Keychron K3を横から見た写真

裏側はBluetooth/ケーブル切り替えスイッチ、Mac/PCレイアウト切り替えスイッチと、充電用のUSB-C差込口と充電LEDがある。 レイアウト切り替えも物理スイッチで設定するのは単純で間違えが起きない一方、接続先単位で覚えているというわけではないので、USBでPCに、BluetoothでMacintoshに接続しているような場合に毎回2つのスイッチを反対側に倒す手間が発生する。

RGB発光機能はfn+右上の電球キーでOn/Off切り替えが可能だが、充電LEDは充電中赤・満充電時緑でケーブルが刺さっているといつも光っている。 単体で電球キーを押すことでいくつかの発光モードを切り替えられて、気に入っているのはこの中に色が淡い感じのものが含まれていて、通常のゲーミング発光のちょっと下品な感じではなくパステル系の上品な色使いのモードがあることだ(冒頭の写真)。

Keychron K3 ポートとスイッチ

ケース裏側はプラスチック製で、上側は金属製なのでここから電波が通れるようになっている模様。 普段目に見える上側のケースが金属製なのは高級感があって良い。 なお、ケース裏側のラベルにはversion 2である表記はない。

裏側はプラスチック

というわけで、Keychron K3 v2を購入してから1ヶ月が過ぎようとする中の感想は、

ということで、出社勤務に戻るので追加でキーボードを買いたい、といった場合におすすめできるキーボードだ。 ただし、慣れてない方(こんなところに来るのか?)向けにあえてアドバイスを書くと、US配列を選ぶ場合、事前に使いたい環境で日本語切り替えの設定の計画を立てておいたほうがびっくりしなくて済むと思う。

便利情報

このキーボードをLinuxで使っていると、F1F12 が、fnキーを押しているかどうかに関係なく音量変更などのメディア系の機能で動いてしまう。 これはhid_appleモジュールのfnmodeパラメータ [elixir.bootlin.com]を設定することでこの問題は回避できるとのことで [reddit.com]、リンク先にある通り

echo 'options hid_apple fnmode=0' | sudo tee /etc/modprobe.d/hid_apple.conf
sudo update-initramfs -u

のような感じに設定することで、そのまま押すとファンクションキー、fnと同時に押すとメディアキーとして動くようにできた。

なお、Linux 5.19以降では、上記設定をしなくてもhid_appleで対応が入っており、特に設定の必要なくファンクションキーは期待通り動く。 起動時に以下のメッセージが出ることで確認できる:

Keychron keyboard detected; function keys will default to fnmode=2 behavior

ボタン交換について

K3のうち、Keychron Opticalキー搭載モデルはボタンを交換することができる。 Aliexpressで、橙軸という、ちょっと重めのクリック音が出るスイッチを購入した。 袋に90個入りで送料込み$26.10。

袋に入って送られてきたスイッチ

キーの交換はキーボード本体に付属していた専用の工具2種類を使って行う。 まず、キーキャップ取り外し工具を使い、キーキャップを引っ掛けるようにして取り外す。 次にスイッチ引き抜き工具を用いて、スイッチの上下のツメを押しながら引き抜く。

キースイッチを引き抜いた様子

このキーボードのスイッチは構造が変わっていて、上記写真のようにキー側には電極は無く、本体側の基板に実装された赤外線発光ダイオードとフォトトランジスタの間に遮蔽物を置くだけだ。 なので、取り外したりすることで端子が摩耗したり接触不良が発生することはないものの、発光ダイオードの部分が調子悪くなるなどして交換したい場合は表面実装の部品を交換することになりそう。

橙軸は、思ったとおりちょっと重めでクリック音が鳴るスイッチではあるが、フルプロファイルのクリッキータイプのスイッチとはかなり感覚が異なる独特の打ち心地だ。 音量もちょっとうるさいマウス程度に感じる。